2014年
劇団ぴーす

「ネバー・エンディング・ストーリー」サウンド・トラック
"The Neverending Story" Original Soundtrack
劇団ぴーずの第4回公演は、ミヒャエル・エンデ原作の「はてしない物語(ネバー・エンディング・ストーリー)」。 2014年5月の公演以降に、子どもたちの歌をレコーディングしたものを公開。コメント欄は、曲の完成時に私が掲示板に残したメッセージを引用しました。

曲名
titles
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1 序曲
Overture
生演奏でもないのに3分の序曲はさすがに長すぎ。でも、作品のテーマをたくさん組み合わせて作ったという意味では、ごnの作曲史上、初めて序曲らしい序曲かも知れません。
2 ネバエン前半
Into The Neverending Story
バスドラのリズムにファンタージェンらしさを託しました。リズムは上に何を乗せるかによって、短調にも長調にもなり得る。持って生まれたものはみな同じでも、考え方次第で良くも悪くもなるっていうような、この劇のテーマにも合っているかと。コード進行は、短調と長調の狭間を彷徨う感じで。ラストの「ぼくの望み」と対照的に。
3 ネバー・エンディング・ストーリー
The Neverending Story
この曲に関しては「スウィート・プリキュアみたいに」との注文がありましたが、私なりの精一杯の「プリキュア感」。いかがでしょうか・・。
4 大事なおつかい
Me and My buddy
田舎っぽい乗りでキャラを立てながらもファンタージェンで起こる悲劇を予感させ、そして姫に寄せる多大な期待を盛り込んだので、自分としては結構がんばりました・・・!
5 アウリン
Aulyn
少ない台詞でどうやってアウリンを印象づけるかで苦労したなぁ。伴奏をかなり派手にすることでアクセントをつけてみました。「これでもか」というくらい金管楽器や打楽器をふんだんに使っています。
6 なんとかなるさ
We Can Make It
アトレーユとアルタクスのデュエット完成! とにかく元気が出て体が軽くなるような曲にしようと、軽快さとギターの音を前面に出して作ってみました。
7 どうでもいいことさ
I Don't Give A Thing
ここで「ぼくの望み」のメロディを倦怠感たっぷりに歌い上げる。そしてタップダンスのところはストレートでアップテンポにしてみました。
8 悲しみの沼
Swamp Of Sadness
この曲、私の作曲人生で一番手こずった。何に悩んだのか。結論から言うと、「どうして心が沈むと体が沈むの?」ということ。この場面は原作の設定をそのまま演劇に適用するのが難しいところ。そして、初めて「掛け合い」に挑戦した曲。
9 イグラムール
Igramul
迷いながらもようやく完成。始めは、吉田兄弟のような津軽三味線っぽくしようかと考えていたけど、ソーラン節にしか聞こえなくなりそうなので、趣向を変えてみました。ただ、ファンクのアレンジにしてみたは良いが、このグルーブ感を生演奏で出すのは酷かも・・・。
10 ファルコン
Falcon
ついに「はてしない物語」の窯に火がくべられました!記念すべき第1曲目は、まさかの「ファルコン」です!台本に「幸福の竜ファルコンが空を飛んでいるようなダンス」とあったので、「幸福」「空」「ダンス」というキーワードをヒントに、ファルコンの勇ましさを表現してみました。
11 世界はいつも謎だらけ
The World Of Wonders
どんなメロディにするか、いろいろ迷ったけど、すでに作った曲の中にヒントを求めた方が、作品全体がしまるということを思い出した。これって、常に意識してないとつい忘れてしまう・・・。「レミゼ」を見直して勉強しました。テンポ、拍子、調など、自由奔放に曲を操っててすごく参考になりました。
12 謎の門
The Gate
もともとこの曲は、別の目的で書いたのですが、監督が上手い具合に拾ってくれ、面白い仕上がりになりました。たなからぼたもち。
13 君とぼく
You & I
後半、三つ巴の掛け合いはかなり難しいです。みんな、がんばって練習して下さい!
どこで誰が何を歌っているのか、聴き手が迷わないように、初めて出てくるフレーズが目立つようにミキシングしてみました。
14 ウユララの声
The Voice Of Uyrlala
原作では、声だけの存在「ウユララ」と会話をするには、言いたいことを歌に乗せ、しかも韻を踏まなければいけないってことになってる。第2幕早々、見せ場ですよ! 前代未聞の四重唱! みんながんばれ〜!
15 世界はいつも(リプライズ)
The World Of Wonders (reprise)
こんな感じでアドリブ風に、倦怠感たっぷりに歌ってほしいなぁ。そしてこの後、テンポアップして後半に移る予定です。終わり方、ちょっとチャリチョコ時代の「きっと気に入るさ」っぽくしてあります。
16 ひとりでいても
Don't Leave Me Alone
予定通り、「東京砂漠」の感じで始まり、同じく友を失う「悲しみの沼」のテーマを経て、最後は「大事なおつかい」でブルッブが歌ったメロディでクライマックスへ! かなりエモーショナルに仕上げたので、音源を楽しみにしていて下さい!
17 いつわり
Fiction
ずっと思い浮かばずにいた「虚無」のテーマ。「虚無」に姿がないため、演出上ここで登場するグモルクが、必然的に一番の悪玉キャラになってくる。そこで提案!
@グモルクとの意思疎通は困難である。悟りきっていて、人の質問には答えない。
Aグモルクの話す言葉は古く、七五調。平家物語の琵琶法師みたいな感じ。そして限りなく無口。雰囲気で勝負。
Bグモルクはメロディを歌わない。虚無にメロディを与えると「無」の感じが出せないし、1人だけ歌わないキャラがいれば逆に映える。
Cグモルクからは「虚無に飲まれると人間界に行き『偽り』として生まれ変わる」という情報だけ得る。原作からの勇気ある脱却を求む。
こんな台詞を、「悲しみの沼」の冒頭伴奏に合わせて語る感じで作りました。
18 いつわりになんか
Nonfiction
「♪ファルコン」の伴奏に乗せて多様なメロディが展開します。中には懐かしのあのメロディも。アウリンとアトレーユを探すファルコン、グモルクと戦うアトレーユ、虚無に飲まれるグモルク、アトレーユと常にともにあるアルタクス。いろいろな気持ちが交錯する様子を描写してみました。
19 新しい名前
A New Name
これは「幼心の君」が初めて歌う歌なので、極力シンプルに、極力日本語の抑揚に合わせ、極力中立的なメロディにしました。でも、「お願い!名前を呼んで!」辺りからは、感情が見え隠れするようエモーショナルにしています。
20 ネバエン(リプライズ)
21 ぼくの望み
What I Long For
この劇の曲の大半は、この「ぼくの望み」を母体にしてできています。特に後半、バスチアンの独唱部分。全てはそこに向かって積み上がって行く構造にしたつもり。実際どこまでそうなっているかは、聴いてみてのお楽しみ。
22 フィナーレ
Finale
劇の締めくくり、フィナーレの完成です。「ぼくの望み」のモチーフを使いつつ原点回帰の序曲につなげておしまい。今回初めてオーボエの音を使ってみました。やっぱり木管合奏の音は温かくていいですね。
23 カーテンコール
Curtain Call
カーテンコールは「ネバエン後半」のテーマのままです。ただ、監督の指示通り歌詞を変えておきました。それに伴い、メロディも若干変更しているところがあるので確認をよろしく!